12月14日(木)、西粟倉小学校5年生へのエネルギーに関する授業(第3弾)をさせて頂きました。
第1弾では「電気の作り方」についての基礎学習を行い、第2弾では「発電に必要なエネルギーを体感」してもらいました。そして今回は野外研修という形で、
『村で活躍している再生可能エネルギー施設を見に行こう!』
というものです。
まずは今回の授業の流れを説明。普段は見ることのできない大きな機械などもありますので、『とにかく安全に気を付けて、自分と仲間を守りましょう』と意識づけ。
また、ただ見学するだけではもったいないので、施設ごとに『ミッション(課題)』を出し、設備の構造や利用方法などについて、生徒のみなさんで考えてもらおうという試みです。
今回見学するのは、再エネに関して西粟倉村の中でも特に主力とされるバイオマス施設と水力発電所です。
はじめに訪れたのはバイオマス施設。西粟倉村では様々な設備があるのですが、ここにはチップボイラー(熱)とガス化発電装置(電気)があります。
燃料となる木質チップのサイロ(保管庫)を開くと、生徒たちから歓声が上がります。
想像以上に大量なチップの山と、スギやヒノキの濃厚な香りに圧倒されつつも、これだけ大きなボイラーで大量の温水が作られ、自分たちの小学校をはじめ中学校や保育所、図書館や役場や福祉施設など、多くの公共施設に熱を供給しているのだと理解してもらいました。
次はガス化発電装置です。同じくチップを燃料とするのですが、これは単純に燃やしているのではなく、特殊な燃焼方法によって可燃性ガス(一酸化炭素)を抽出し、それを燃料としてエンジンを回して発電機を動かす。とても複雑な仕組みをしています。さらに、ここで発電された電気は電力会社には売らずに村の福祉施設へ供給しており、災害時などで停電した場合、避難場所として活用するための非常用電源にもなっているのです。
村で育った木のエネルギーを、熱や電気に変換して村民のため還元している、西粟倉村のSDGsな取組みについて生徒たちは熱心に説明を聞いてくれました。
続いて一行は、バスに乗り込み村の北部(川の上流)へと移動します。そこには村を流れる吉野川と、その水から恩恵を受ける「西粟倉第2水力発電所(通称:みおり)」があります。
まずは取水口の見学。川に隣接するコンクリートの大型建造物に、生徒たちは「こんなに本格的な施設があったのか!?」と驚愕。
次は少し下流へ下り、発電所の中へ。
見たこともない大きな機械が、轟音を響かせながら回転している姿にまた感動!
最後は少し下流にある「西粟倉発電所(通称:めぐみ)」へ。この発電所は昭和40年代より稼働しているの歴史的な発電所なのです(平成27年度にリニューアル)。発電所の入り口にある石碑(建設当時の記録を記したもの)を見て、「そんなに昔から発電してるの!?すご~い!」とビックリ。
発電所の中を見学しながら、みおりと比べて大きさや構造がどう違うかを調査。ここにはリニューアル前に使っていた水車の実物が展示しており、保守員でもなかなか見られない水車の形状を理解してもらました。
すべての見学を終えて、小学校へ帰ってきました。
最後に生徒たちから感想を伺い、またミッションの答え合わせもしました。生徒たちから様々な回答がでましたが、最終的には『再エネ施設は、村の資源(木や水)を使って村民の生活を豊かにするために稼働している!』という結論に至りました。
◆最後に
今回で、5年生に向けたSDGsの授業は終了です。これで生徒たちも全てのミッション達成!・・・かと思いきや、実は当社からもう一つ、重要なミッションを出しております。
それは「自分たちが大人になった時、どんな村になっていて欲しいか?」を考える、というものです。
彼らには来年2月頃、この1年間での学習の成果を発表する報告会が控えているので、その時までの宿題とさせてもらいました。この村や日本の将来を担う子供たちにとって、素晴らしい未来を創造できるような授業ができたのなら幸いです。
今まで授業の段取りやサポートをしていただいた先生方およびNESTのみなさん、本当にありがとうございました。
そして5年生のみなさん、我々の授業を楽しんでくれてありがとうございました。報告会でのみなさんの成長した姿を楽しみにしております。